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マルテンサイト系

丸ヱム製作所 用語集

マルテンサイト系

結晶組織がマルテンサイト系ということ。オーステナイトを急冷した場合、常温でもオーステナイトとなろうとするが、Niのようなオーステナイト安定化元素を含まない場合、常温ではオーステナイトは安定ではないので、フェライトの格子を少しゆがませた状態 (フェライトの構造を引き伸ばしたような状態) に、マルテンサイト変態する。
なお、マルテンサイト変態とは、原子が長距離 (長距離というのはあくまでまで便宜上の表現) を移動せずに、わずかな位置の移動で結晶構造を変える変態のことである。マルテンサイト系はこのマルテンサイト変態でできた相のものである。
基本成分は、13Cで、SUS410がこの代表鋼種である。
この鋼種は焼入れによる硬化性が優れているので耐摩耗製品に使われることがあります。また、焼戻しをすることにより、高強度、伸延性および靭性を得ることができるので、ネジのドリルネジ・ボルト・刃物・ベアリング・ブレーキディスク・バルブなどにも多く使われています。
しかし、耐食性が他の鋼種に比べると劣るため、取り扱いや、使用環境には注意が必要です。
大気中で加熱した場合の耐酸化性がよく、500℃ までの温度に耐え、耐熱用としても使用されています。溶接は焼き割れを生じやすいので注意が必要です。
強磁性である。

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